ヤクスギランドは短時間で楽しめる散策路が整備されていて、子供と一緒に行くトレッキングコースとしてはぴったり。
子どもと行くヤクスギランド!詳細
ヤクスギランドは、屋久島の森を歩きやすく整備して気軽にトレッキングが楽しめる散策路です。「ランド」という名前ですがアトラクションがあるわけではありません。
倒木・更新・合体といった屋久杉のメカニズムが集約していて、遊歩道から樹齢数千年の偉大な屋久杉を見られる貴重な体験ができます。
気軽に楽しめる30分コースから、50分コース、80分コース、150分コースまであり、体力や時間に合わせてトレッキングが楽しめます。
短時間で歩きやすいですし、いたるところで屋久杉が見られる他、途中でヤクシカやヤクザルと出会えることもあり、子供と行くなら一番のトレッキングルートだと思います。
ヤクスギランド・ルート紹介
- 30分コース 歩道が整備されていて短時間で「千年杉」・切り株更新の「双子杉」など見られます
- 50分コース 30分コースに加えてハイライト推定樹齢1800年「仏陀杉」が見られます
- 80分コース 沢の清流「つつじ河原」へ降りられます
- 150分コース 急こう配もある本格的登山ルート。携帯トイレブース・東屋などを経て「母子杉」「三根杉」など巨木が見られます
ちなみに、コースの所要時間は大人の足でざくざく歩いた時の時間ですので、子どもと一緒に歩くとこれの2倍はかかるつもりで見積もってくださいね。
我が家も50分コースで約2時間ほどかかりました。
気軽に楽しめる散策路とはいえ屋久島の自然の中に入るにことには変わりないので、最低限の登山の装備は必要。
特に、いつ雨が降り出すか分からない屋久島ではトレッキングシューズとレインコートは必須。足場が悪くなると滑りやすいですし雨に降られれば体温も奪われて寒いので、子どもの分も必ずトレッキングシューズとレインコートは準備してあげてください。
我が家の場合、晴天の天気予報を信じて行ったら土砂降りで、下の娘のスニーカーは開始5分でぐちゅぐちゅ。寒いし滑るしかわいそうでした。
屋久島は、1か月のうち35日雨が降るともいわれる降雨地域。晴天の予報でも山に入るなら雨の用意は必須です。
安房地区から山へ入るのですが、途中で携帯は圏外になりますよ。
時間と装備には余裕をもっていってくださいね。
子供と一緒にヤクスギランドに行ってきました!体験記
2018年8月に行った家族旅行で小学校4年生の子供と一緒にヤクスギランドに行ってきました。
天気予報では晴天のはずだったのに、なぜかヤクスギランドに向かう途中の山道に入ると大雨に。
屋久島では天気予報は全くあてになりません。
安房地区から表示通りに山道に入り、ヤクスギランドの入り口管理棟を目指します。
と、いきなり目の前に行く手を遮る…、あれはもしや?ヤクザルちゃん?!
見れば赤ちゃんを抱っこしていました。↓なんとかカメラに収めた奇跡の1枚。
「うキャー!かわいぃ!」2人の娘は車の中からテンションMAXに(笑)。
屋久島は自然条件が厳しくヤクザルは体が大きくなれないのだそうです。
こちらのヤクザルさんは少し大きいかな。車が通っても知らぬ存ぜぬ。
その先に行くとヤクシカもいましたよ。
ヤクシカにもヤクザルにも会っちゃって、ヤクスギランドに行く前からもう大興奮お腹いっぱいの我が家。
ヤクスギランド駐車場・入口管理棟「森泉」
そんなこんなで安房地区から30分くらい走ってやっとヤクスギランドの駐車場に到着。
入口には管理棟と「森泉」という売店兼休憩所があります。トイレも白谷雲水峡と比べると100倍きれい(笑)。使用料100円です。
入場料をお支払いしていよいよヤクスギランド内に。
午後には飛行機に乗らないといけないので、我が家は50分コースを選択しました。
さぁ、レッツゴー!
歩道が整備されているので歩きやすいのですが、土砂降りなので妹ちゃんのスニーカーがすぐに濡れてしまいました。
妹ちゃんだけトレッキングシューズとレインコートを用意してあげられなかったのが後悔です…。
入ってすぐにお出迎えしてくれたのは【くぐりツガ】
【林泉橋】。雨が降っていて幻想的な森。土砂降りなのにどうしてこんなにわくわくするんでしょう…
千年杉
この橋を越えるといよいよ森が深くなり、そしてお出迎えしてくれる【千年杉】。
樹齢や樹高は定かではないものの、空に向かって真っすぐに伸びている巨木は珍しいんだそうです。
樹齢千年以上の杉を「屋久杉」というのですが、その中でもあえて【千年杉】と命名されたこちらの巨木。
まっすぐ空に向かって生えている様はなんだか凛々しくもあり、はかなげでもあり。
荒川橋
【千年杉】を過ぎるとこれまで沿って歩いてきた荒川を渡ります。
【荒川橋】は清流にかかる吊り橋。足元を川がゴーゴーと流れる吊り橋を渡るのも、ちょっとスリルがあってまた面白いです。
仏陀杉
そしてとうとう会えました!
ヤクスギランドのハイライトともいえる【仏陀杉】に到着です。50分コースのはずなのに、なぜかここまで1時間近くもかけて歩いてきました(笑)。
太い幹にゴツゴツとしたこぶがついているこちらの【仏陀杉】。幹のデコボコが仏陀の顔のように見えることからこのネーミングなんだそうです。
推定樹齢1800年の長老様。根本が空洞化していてだんだん弱っているそうで、前にはこんな看板も。
ヤクシカに遭遇!
本日のメインイベントである仏陀杉にも会えたことだし、後は急ぎ足で帰ろうと思っていた矢先、突然目の前にヤクシカさんが飛び出してきた!
じーっと見ているとすぐそばまで来て、一生懸命エサを探して食べています。なんてかわいいんでしょう♡
双子杉
私がヤクスギランドの中で一番ジーンとしたのがこの【双子杉】。
一つの切り株に2本の小杉が更新して、その2本ともがピーンと一直線に空に向かって伸びています。
将来的には2本の小杉が合体する可能性もあるんだそうですが、仲良くまっすぐに伸びている2本の小杉に、なんだか「がんばれー」とエールを送りたくなりました。
いよいよヤクスギランド50分コースもゴールに近づいています。
くぐり杉
斜面から倒れた杉と下にあった杉が合体したという不思議な杉。
その間をくぐることができて子供たちのテンションが上がりました!
倒れてきた杉とくっついちゃうなんて、杉の生命力ってなんてすごいんでしょう…。
このくぐり過ぎはゴールの門のようでもあり、これをくぐるとゴールはすぐそこです。
清涼橋
ヤクスギランドの最後の吊り橋。最初は「キャーキャー」騒いだ吊り橋ももうこのあたりになると慣れたものでスタスタ渡れる子供たち。
そして、やっと登山道が終了~!
50分コースを約1時間40分かけて歩きました。
この後、トイレと売店「森泉」さんの2階の休憩スペースを使わせていただいて濡れた服を着替えさせてもらいました。
確かに歩きやすかったですし、短時間でたくさんのりっぱな屋久杉に出会うことができて、子供と一緒に行くトレッキングコースとしては一番のおすすめコースだと思います。
ですが、気象条件の厳しい屋久島の森に入ることには変わりがないので、しっかりとしたレインコートやトレッキングシューズ、防寒着などの装備を持って行くことをおすすめします。